2010/03/09
木村麻耶さんのご相談(3)収納も少なく、家族の多い我が家。居心地のいいサロンにできるでしょうか?
木村麻耶さん
「キッチン相談室」2回目の座談会は、相談者でDreamia Clubの第1期サポーターの木村麻耶さんが同席してくださいました。(「キッチン相談室」へのご相談は、座談会にご参加いただけない方でも問題なくお受けしております。)
回答者はもうおなじみですね。「Ristorante我が家」主宰の是友麻希さん、建築士チームは渡部有美子さん、岩崎明希子さん、小林美紀子さん(岡田理佳さん、百合本雅子さんのご意見もメールでいただきました)、そしてクリナップのキッチンアドバイザー大山百合さんです。

●サロンづくりのスタートは「どんな家庭にしたい?」
――このあたりで、サロネーゼのお立場から、是友さんにご意見をうかがいましょう。
是友 まず、木村さんはどんなサロンにされたいですか?
木村 えーと…少人数制で、スタイルは実習でもデモンストレーションでもどちらでも。娘たちのお友だちを集めて、子ども向けのお料理教室もできれば楽しいなと思っています。
是友 お話をうかがうと、すごくすてきなご家族で、お子さんもたくさんいらっしゃって毎日が楽しそうですよね。
将来的にお教室を開かれるとしても、家はまず暮らしあってのものです。座談会の1回目でもお話したのですが、サロンに来られる生徒さんは、お料理を習うだけでなく、家や、先生の暮らしぶりを見に来られます。
たとえば、ゴミ1つない洗練されたキッチンを、スタイリッシュな感じで見せたいのか、多少の生活感はあるけれど、お子さんがいて、和気あいあいと料理をしている温かい雰囲気を見せたいのか、サロンにはいろいろなスタイルがありますよね。
これはあくまで私の意見ですが、木村さんはすてきなご家族がいらっしゃるので、家庭の温かさをアピールポイントにされたらいいんじゃないかな、と感じました。少し見栄えが悪くても、お子さんが乗ってお手伝いができるような作業台が置いてあったりするのもアリな気がして。
――木村さんがサロンで何を見せたいのか、どういうスタイルで運営されるかが大切ということですね。
是友 はい。まずは、どんな雰囲気のサロンにされたいかを考える。そのためには実は、「どんな雰囲気の家にしたいのか」を大きくイメージすることが大事なんですね。
そこが決まれば、細かいところはおのずと決まっていくと思います。
木村 はい!
●アイランド型キッチンをすっきり使うアイデア
是友 お子さん向けの料理教室もやってみたいということで、アイランド型のオープンキッチンは向いていると思います。
ただ、生活をしているとどうしても、シンクのふちに洗剤やスポンジが置かれるようになったり、作業スペースに洗い物が積み重なったままになったり、アイランドの上ってなにかしら「もの」が放置されるようになるものです。
アイランドを中心にお教室をしようとすると、放置されたものをすべて片付けてからレッスンを始めることになって、その労力が実は結構大変(笑)。
私の場合、普段づかいの調味料などは、小さなカゴやかわいい箱にまとめて置いておきました。教室用の調味料は別のカゴに入れて、レッスンのあるときだけ、カゴを入れ替える、というふうにして。カトラリーも同じ。普段づかいと教室用と、入れ物を分けておけば、入れ物ごと移動させるだけなのでレッスンの準備が楽になりますよ。
もちろん、収納がたくさんあればそれに越したことはありませんが、収納が少なければ少ないなりに、運用を工夫されればいいと思います。
新しいキッチンの見取り図を見ると、教室の中心は、流し横の作業台のスペースになりそうですね。
ダイニング側に生徒さんが集まって、対面して木村さんが作業をしながら説明するイメージなら、作業台側とは逆の、流しのふちにはものが置いてあっても邪魔にはなりませんから、ここをうまく使われるのはどうでしょう。
洗剤やスポンジは置いてあっていいし、よく使う菜ばしやトング、お玉といった調理器具を、かわいい入れ物に立てておいたり。
収納がないのはもう仕方ないので(笑)、ものを捨てて減らすか、見せる収納にするかしか選択肢はありません。
1度、お手持ちの食器や調理器具をチェックして、いらないものを捨ててみましょう。料理好きの人はたいてい、「いつか使うだろう」と調理器具を溜め込んでいるものなんです。
木村 そうなんです(笑)
是友 ね?(笑) 5年使わなければ、これからも使いませんから、捨ててしまいましょう。
もしくは、スパイスはカゴや箱に入れて並べたり、調理器具は壁に掛けたり、すべて見せて収納する。見える収納にすれば、子ども料理教室をされる際、「これなに?」「これどうやって使うの?」と、子どもが調理に興味を持つきっかけになるかもしれません。
作業のしやすさを追求するのではなく、見て、楽しめて、興味もわく、という感じの教室を考えられてもいいかもしれないですね。
●家族の「和気あいあい」をサロンにいかす
――木村さんはどんなサロンにされたいですか?
木村 本格的な技術を学んだわけではないので、少しおしゃれな家庭料理をお教えするサロンになると思います。雰囲気はアットホームな感じにしたいですね。
――サロンによっては、家におじいちゃん、おばあちゃんがいらっしゃっても「レッスン中は出てこないでね」というふうになさる場合もありますが、木村さんの場合はおじいちゃん、おばあちゃんがいてもOKですか?
木村 ええ。…というか、見せざるを得ないかな?(笑)
渡部 私はむしろご家族が見えたほうがいいと思います。おじいちゃん、おばあちゃんがいらっしゃるサロン、すてきじゃないですか!
――大家族は素敵ですよね。木村さんがキッチンで教えられ、お義父さんがダイニングテーブルを作業台にしてお手伝いされていても楽しいです。
木村 実は「お料理教室をしてみたいな」という話をしていたら、義父も「アシスタントをやってみたい」と言っていましたし、これまで2回程、クリナップ新宿ショールームのパーティスペースをお借りしてお料理教室をやっているのですが、その際も主人が調理補助やサーブ役で手伝ってくれています。
一同 へぇー!
木村 リフォームした家で教室をやるときも、家族に手伝ってもらいながら、生徒さんには家族ごと見ていただくしかないかなぁ…。
是友 いいじゃないですか、それ! サロンに来る生徒さんが「こういう家庭があったらいいな」と思うような環境を木村さんがつくられて、それを見せるのがいいと思います。温かいご家族自体が、木村さんのサロンの魅力になりそう。
木村 私としては義父がアシスタントというのは、どうなのかしらと思っていましたが、お話をうかがっていて、家族を巻き込んでうまくやっていくのがいいのかな、とイメージが見えてきました。
――若い方は、親との同居にあまりいいイメージを持たれない方が多いですが、木村さんのお宅はなんだか楽しそうです。
木村 実際はいろいろありますけれど(笑)、いいこともあると信じています!
是友 ゆくゆくは「お義父さんとうまくやる方法」も、サロンでお教えするテーマになると思いますし、ぜひがんばってください!
料理教室では生徒さんは「お客様」。でも、木村さんの場合はあまりビジネスライクに考えすぎないほうがいいと思います。
ビジネスとなると、お義父さんに手伝っていただくのも「指示をする」という感じになりますが、ご家族で和気あいあいと暮らしている様子をそのまま見せるというスタンスで、たとえば、お義父さんが思ったように動いてくれなくても、木村さんは上司としてではなく「それを見守る嫁」でいいということです。
お義父さんと木村さんの関係性がほのぼのしていれば、生徒さんからも「お義父さん、かわいい!」という意見が出てくるようになりますから大丈夫(笑)。
――木村さんのサロンが楽しみになってきました。お義父さんのファンクラブもできるかもしれないですね(笑)。
木村 できるといいですね(笑)。
(次回へつづく)
座談会進行=深澤真紀(タクト・プランニング)
テキスト=橋中佐和(タクト・プランニング)
写真=窪田みゆき(Dreamia Club)
図面作成=大山百合(クリナップ新宿ショールーム)

是友麻希
これとも まき
「和食料理教室 Ristorante 我が家」主宰
聖心女子大学出身。
国内外からの客人の多い家庭で育ち、幼少より料理に慣れ親しむ。
大学卒業後、「銀座すしもと」にて和食と魚料理の基礎を学ぶ。
2005年に東京・自由が丘の自宅にて家族をもてなすための極上家庭料理教室「Ristorante 我が家」を主宰。2009年3月に教室を中目黒に移し、「和食料理教室 Ristorante 我が家」としてリニューアル。
レストランやカフェのアドバイザーも務めるなど幅広く活動するとともに、家庭で楽しみながら作れるお洒落でおいしいお酒のおつまみ・魚料理を研究。
「焼酎アドバイザー」「野菜ソムリエ」「文部省認定 健康・食育アドバイザー」認定。
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