2010/03/02
木村麻耶さんのご相談(2)スペースの制限がありますが、少しでも収納を増やすアイデアはないでしょうか?
木村麻耶さん
「キッチン相談室」2回目の座談会は、相談者でDreamia Clubの第1期サポーターの木村麻耶さんが同席してくださいました。(「キッチン相談室」へのご相談は、座談会にご参加いただけない方でも問題なくお受けしております。)
回答者はもうおなじみですね。「Ristorante我が家」主宰の是友麻希さん、建築士チームは渡部有美子さん、岩崎明希子さん、小林美紀子さん(岡田理佳さん、百合本雅子さんのご意見もメールでいただきました)、そしてクリナップのキッチンアドバイザー大山百合さんです。

●使い勝手のいいカウンターは奥行き深め
小林 カウンターのことで少しご提案があるのですが。
――はい、どんなことでしょう。
小林 「カウンターを折りたたみ式に」というお話でしたが、あえて折りたたみ式にしなくてもいいかな、と思ったのですが。
――なるほど。
小林 ダイニングテーブルのサイズにもよりますが、カウンターが邪魔にならないようであれば、折りたたまず、出したままでもいいのではないでしょうか。
それから、カウンターの奥行きです。通常は45センチぐらいですが、お子さんの宿題を見てあげたり、お料理教室で作業台として使うことを考えたら、少し深めに50センチぐらいとったほうが使い勝手の幅が広がると思います。
これもダイニングテーブルの大きさとのバランスですね。カウンターが幅を取りすぎて生活に支障が出てしまうようでは意味がありませんから。
将来的なことを考えると、カウンターは折りたためる構造にしておいたほうがいいですが、日常的には出しっぱなしにしておける奥行きサイズを、ダイニングテーブルとのバランスを考えながら決められるといいと思います。
木村 わかりました。ありがとうございます。
●家族構成に合わせた収納の考え方
小林 それから建築士チームの岡田さんから収納について、「水周りのものはシンク周りに、火の周りで使うものはガス台の下に置くというのが、基本的な収納のルールとしてあります」とアドバイスがきていました。
使う場所の近くに収納するのが効率がいい、と覚えておかれるといいと思います。
また、以前ご相談をいただいたあるご家庭で、奥さんが背の高い方だったので、吊り戸棚をたくさんご用意したケースがありました。ご両親もお料理をされていたのですが、お年を召されるうちに高いところに手が届かなくなって、収納が使いづらくなってしまった事例もありましたので、収納もご家族の構成に合わせて考えられたほうがいいかもしれませんね。
木村 たしかにそうですね。
小林 収納で忘れがちなのがお子さんのお弁当箱。置き場所は取れそうですか?
木村 そうですね。もうすでにかなりかさばっています(笑)。水筒も場所を取りますし。
――それにしても、木村さんのように、設計の時点で「収納が足りないだろうな」とうすうすわかっていらっしゃる場合は、なかなか難しいですね(笑)。
木村 そうなんです…(笑)。
小林 図面を見る限りでは、リビングとダイニングのあいだに若干スペースがあるので、そこに家具を置くという方法はありそうです。ただ、空間がさえぎられるのであまりやりたくはないですよね。
床下に収納をつくる余地はあるかしら…(建築士チームで考えている)。
渡部 う~んRCなので構造的にも無理かもしれない。床下も、あと天井裏も期待しないほうがいいでしょう。
木造なら少しであれば増築したり、柔軟に対応できる場合もあるんですけれども。
●目隠しにならない収納/見せる収納
――岩崎さん、なにかよいアイデアはありますか?
岩崎 だいぶ設計も固まっている段階ですから、取り入れるのは難しいかもしれませんが、「こんなアイデアもあります」という感じでいくつかご提案してみますね。
木村 はい! よろしくお願いします。
岩崎 まずは収納のご心配にですよね。今、アイランドの上は吊り戸棚を付けていらっしゃらないということでしたが、目の高さより少し上、手の届くくらいの高さに、天井から吊り下げるタイプのパイプ棚のようなものを設置されてはいかがでしょう。
パイプ棚ならば空間的な広がりが保たれたまま、収納もある程度確保できると思います。インテリアとしてもポイントになりますし。
――なるほど、いいですね。飽きたらすぐに撤去できますし。
岩崎 取り付けもかんたんです。
必要であればその下にグラスハンガーみたいなものを付けてもいいかもしれません。ワイングラスなどをかけておくとおしゃれな印象、厚めのグラスを置けばカントリー調と、雰囲気も変えられます。
――グラスは置き場所に困りますから、それは便利ですね。シンクのすぐ上にあれば、家族も出し入れがしやすいですし。
岩崎 シンクの上に、そういう目隠しにならない吊り下げタイプの収納があると、なにかと便利だと思います。
あと、②の「人が集まりやすく、癒されるキッチンにするには」について私が考えるのは、内装の色や質感です。
内装に白を選ばれたのは、明るめのトーンでいいと思います。ただ、あまりクリアすぎる白だと冷たい印象を与える場合もありますので、アイボリー系の白か、ピンクが混ざったような暖かい、やわらかい色味にされるといいと思います。
ポイントで木目調の素材を使われるという選択も、雰囲気がやわらかくなるのでとてもいいですね。
壁の仕上げも、ビニールクロスを使われるのでしたらカントリー調のボーダーを合わせたり、キッチン周りでタイルなどお使いになる場合は、凹凸があって、少しやわらかい印象の輸入材などを選ばれてポイントにされてもいいかもしれません。
それから、これは空間をやわらかい雰囲気にするのと、収納を少し増やすという両方に効果があればと思ってのご提案なのですが、壁掛けタイプのちょっとした棚を、見せる収納としてつけてみられてはいかがでしょう。
奥行きは10~15センチほどあれば十分だと思いますし、後付けもできます。
木材で、カービングを施したようなデザインであれば、部屋のポイントにもなります。
木村 なるほど! 検討してみます。
(次回へつづく)
座談会進行=深澤真紀(タクト・プランニング)
テキスト=橋中佐和(タクト・プランニング)
写真=窪田みゆき(Dreamia Club)
図面作成=大山百合(クリナップ新宿ショールーム)

小林美紀子
こばやし みきこ
MIKI設計企画代表
不動産建築会社での新築打合せ経験により建築に興味を持ち、独学にて二級建築士資格取得。
「お客様の希望を出来る限り現場に伝えること」を心がけながら経験を重ね、この度建築士事務所開設。たたき上げの建築士目指し、日々勉強中。
二級建築士、アロマテラピー検定1級 ((社)日本アロマ環境協会)

岩崎明希子
いわさき あきこ
株式会社アトリエ・アルバ代表
1996年に岩崎設計事務所開業、その後 2008年に株式会社アトリエ・アルバ設立。主に住宅設計を手掛ける。風水を学び、「温故知新」を設計理念に、女性の視点で間取りプランからインテリア、照明、外構計画までトータルにコーディネート。
ご要望に合わせた収納の造作、施主支給等、お客様主役の楽しく豊かな家づくり(デザイナーズハウス)を目指している。
デザイン全般を手掛け、Adorno・Alba~アドルノ・アルバ~も経営。
株式会社アトリエ・アルバ 一級建築士事務所
Adorno・Alba ~アドルノ・アルバ~
一級建築士、インテリアコーディネーター、福祉住環境コーディネーター





