2010/01/12
「キッチン相談室」の大山さんは「キッチンアドバイザー」。どんなお仕事ですか?
Dreamiaさん
サロネーゼを目指そうという方にも、すでにサロンを開かれているサロネーゼの方にもご利用いただける「キッチン相談室」。パネリスト紹介の最終回はクリナップのキッチンアドバイザー、大山百合さんです。
●クリナップの「ご自宅訪問サービス」
大山 クリナップのショールームに勤めて5年になります。現在はキッチンアドバイザーとしてショールーム内をご案内するだけでなく、「ご自宅訪問サービス」も担当しています。
――「ご自宅訪問サービス」? どういうサービスでしょう。
大山 クリナップの新宿ショールーム限定のサービスで、ご自宅にお邪魔してキッチンを拝見し、お客様のご希望をうかがいながら、ご満足いただけるキッチンを提案します。
サービス開始から丸4年で、私は年間30軒程度のお宅に伺っていますから、100以上のキッチンを見てきたことになります。
――クリナップの商品を買うと決めていらっしゃる方がお使いになるサービスですか?
大山 いえ、「リフォームしたい」と漠然と思われているだけ、メーカーの比較をしている段階で、サービスをご希望されても問題ありません。実際に「ご自宅訪問サービス」をご利用された方で、他メーカーを選ばれたお客様もいらっしゃいます。
キッチンアドバイザーのいちばん大切な仕事は、お客様のご要望と実際の空間的、予算的な制約のズレをうまく埋めていくことだと思っています。
ショールームにいらっしゃると、夢が大きく膨らみますよね。つい、あれもこれもとイメージが先行して、優先順位がわからなくなってしまうこともあります。
こだわりがあるからこそ、真剣に悩まれてしまうわけで、私もその気持ちがよくわかります。
「ご自宅訪問サービス」で多くのお客様のキッチンを拝見させていただいたおかげで、いろいろ勉強させていただきました。よそのご家庭のキッチンを拝見すると「なるほど、こう使えばいいのか」と発見することもあるので、その経験から、みなさんのお役に立てるようなアドバイスができればと思っています。
――それは心強いです。
大山 実は、私が手がけてきたのは普通のお宅が多くて。サロネーゼの皆さんのキッチンは広々していて設備も立派でしょうから「ご相談にのれるかしら?」と少し不安でした。でも、少し調べてみたら、2口コンロでサロンをやられている方も、キャンプ用のテーブルで始められる方もいらっしゃるんですね。
――賃貸マンションでサロンをやられる方もいて、その場合は備え付けのキッチンを使うしかありませんしね。
大山 ええ。あるもので、工夫をしながらサロンをされているとうかがって、それなら私にもアドバイスができるかな?と安心しました。
●リフォームの優先順位は?
―― リフォームで理想のキッチンを!と思われている主婦の方は多いと思いますが、いざとなると、要望を整理するのは大変そうです。
大山 ええ。最新の設備を入れたいというご要望がある一方で、今の使い勝手を変えたくないというご希望が、特に年配の方に多くいらっしゃって、「変えたくない」けど「変えたい」というご要望の実現はなかなか難しいですね(笑)。
それから私は、お客様が「こう使ってきた」という家事スタイルに対しては、敬意を払うようにしています。「こうしたほうが使い勝手はよくなる」と経験上わかっていても、お客様のスタイルを尊重したいんです。
――夢と現実の落としどころはどうやって見つけたらいいでしょう。
大山 優先順位を決めることでしょうか。
リフォームとなると、「スタイリッシュにしたい」「炊飯器や電子レンジが外に出ているのは嫌」「でも炊飯器や電子レンジは手元に置きたい」と、相反する要望がいろいろ出てきます。でも、全てを実現するのは難しくて、諦めなければならないことも。
ですから、リフォームによって何をいちばん変えたいのか、まずご自身で考えていただきますし、私が実際に拝見して「ここに物が出っぱなしになっているのがネックみたいですね」と問題点を探して差し上げたりします。
大山 そうですね。客観的に見たほうが問題点がわかることもあります。
●人気のキッチンは「対面」 キッチンの高さ「高め」
――最近はどんなキッチンが人気なのでしょう。
大山 対面型はやはり人気があります。
手元が隠れる腰壁のあるタイプ、フルフラットのタイプと、対面式といってもいろいろですが、家族のほうを向いて調理をしたいというご要望は根強いですね。
コンロはIHも増えてきたり、吊り戸棚タイプの収納を設置される場合は昇降が電動式のものが人気があります。
――そんな大山さんご自身のキッチンは?
大山 マンションなので、間取り上の制約がありましたが、オプションで腰壁のあるタイプの対面式を選びました。収納は引き出し式にしたかったんですが、残念ながら開き扉です。構造的に難しかったので泣く泣く(笑)。
ただ、子どもと一緒にキッチンに立っても余裕があるので、広さ的には満足しています。シンク背面の収納との距離が80センチと、2人がすれ違うには少し狭めですが、ひとりで使う分には、コックピットみたいになんでもパッと手が届きますから、このくらいがちょうどいいですね。
サロンを開かれる際は、実習スタイルならば、そのためのスペースを確保しなければなりません。シンクと収納が平行に並んでいる「2列型」の場合は、その間の距離をひとりで使うキッチンよりは広めに取りたいところでしょう。
リフォームされる場合はこんなふうに、誰が、誰と、どんなふうに使うか、具体的にイメージされてからプランを考えられたほうがいいと思います。
――男性が料理をされるご家庭も増えていますしね。
大山 ご主人や息子さんが調理をするということで、キッチンの高さを高めの90センチに設定されるご家庭も多くなりました。小柄な奥様には90センチは少し高めですが、スリッパを履いたりして調節ができますし。
男性が料理をされるご家庭には高めのキッチンをおすすめしています。「高めのキッチンにするとご主人も手伝っていただけるみたいですよ~」と奥様にこっそりお話すると、「じゃあそうするわ」と選ばれる方もいらっしゃいます(笑)。
――大山さんご自身の理想のキッチンは?
大山 個人的な理想のキッチンのイメージは、完璧に整理整頓されているより、多少散らかっていても、好きな小物に囲まれながら、楽しく料理ができるキッチンでしょうか。
――「散らかっていていい」と言われると安心します(笑)。
大山 「キッチン相談室」では、私が今まで見聞きした事例から、いろいろなアイデアをご紹介したいと思います。
――大山さんのアイデアの引き出しから何が出てくるか期待しています!
企画編集=深澤真紀(タクト・プランニング)
テキスト=橋中佐和(タクト・プランニング)
写真=窪田みゆき(Dreamia Club)

大山百合
おおやま ゆり
クリナップ㈱キッチンアドバイザー
ハウスメーカーのカスタマーリフォーム部門のアシスタントコーディネーターを経てクリナップ(株)へ入社。
新宿ショールームにて、リフォームをご検討中のお客様のご自宅へ伺い、お客様の使い勝手等に合わせたキッチンのご提案をする「ご自宅訪問サービス」を担当。
インテリアコーディネーター キッチンスペシャリスト
カラーコーディネーター「商品色彩」1級





